太王四神記~二人の朱雀、キハとスジニ

太王タムドクを愛する二人の女性、キハとスジニ。神話の時代、キハは虎族の火の巫女であり、スジニは神の子ファヌンに愛され子を産んだ熊族のセオであった。火の力を使い暴力的に世を支配していたカジンから火の力を奪い、紅玉(朱雀の心臓)に封じ込めたファヌンは、人々を守り役立てるようにとセオに授けた。ファヌンを慕う気持ちが芽生えたカジンは、戦をやめ全てを捨ててファヌンが創った国で生きる決意をしたが、セオとファヌンが結ばれ、セオが身籠っていることを知ると嫉妬と怒りに燃える。そしてセオの出産の時、村を襲撃し、生まれたばかりの赤ん坊を奪う。奪われた赤ん坊が崖から落とされるのを見て悲しみと怒りに我を忘れたセオは、授けられた火の力が暴走して黒朱雀となり、世を焼き尽くしてしまう。守護神ー青龍、白虎、玄武の力もかなわず、ファヌン自ら天弓の矢で黒朱雀を、セオを止めるしかなかった。今世で結ばれないのなら来世でとの想いを胸に秘めていたカジンは、私の民になれというファヌンの言葉に「私は王だったのだ」という言葉を残し、自ら命を絶つ。
ようやく火が収まり、世界が水の底に沈んでしまうと、神の子ファヌンは、平和に治めることができなかった世を去り天に帰る。セオとの子ー檀君(朝鮮の始祖)と四神ー青龍、白虎、玄武、朱雀の力を封印した神器、そして『チュシンの星が輝くとき、四つの神器が目覚め、チュシンの真の王が天から遣わされる』という預言が残された。
それから2000年の後、王家にタムドク、朱雀の神器を代々守る百済のへ家に姉妹として、キハとスジニが生まれる。虎族の末裔で、天の力を奪い世界を征服しようと企む火天会は、チュシンの星が輝いた夜、へ家を襲い朱雀の神器を身につけたキハをさらう。キハの手で難を逃れたスジニは、玄武の神器を守るコムル村の人々に発見される。
こうして別々の道を歩むことになった姉妹は、それぞれにタムドクと出会い、愛するようになる。最終的には、この世でも一途にタムドクを愛し守ろうとしたスジニと結ばれ、時を超えて貫かれた愛に心を打たれる。しかし、前世からの想いに導かれるように必死にタムドクを愛そうとするするキハを、涙なくしては見られない。私の中では、このドラマのもう一人の主役である。
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